不育症・私が子供に出会うまで6
こんにちは、赤ちゃん
4年の間
私は何度も母になった。
その間一度も、赤ちゃんには会えなかったけど
それでも私は母だった。
この度わたしのお腹を選んでくれた我が子は
男の子。
かかりつけの産婦人科の先生と
スタッフのみなさんに支えられ
いよいよその日が来た。
赤ちゃんに会える日。
帝王切開の前日
入院。
私のお腹に赤ちゃんがいること
私のお腹で赤ちゃんが育ってくれたこと
一緒にここまでがんばってくれたこと
産む前から
ありがとうの気持ちでいっぱい。
見納めに撮っておいたお腹。腹囲100センチ☆
翌日の昼一番に
私は分娩室ではなく
手術室へむかった。
この病院ではお産の時、赤ちゃんの誕生とともに
「こんにちは、赤ちゃん」
の歌が院内中に流れるようになっていて
元旦那さんも両親も、
「あの歌が流れたら産まれたってことね」
と待機していた。
ベッド上で
腰椎麻酔ののち
看護師さんが私の両側に立ち、
私の腕を抑えた。
怖かった。
「大丈夫よ。」といってほほ笑んでくれたのは
優しい顔の助産師さん。
麻酔が効いてきて、メスが入った。
その時、ヒリッとしてびっくりして、
「麻酔効いてないです!!!」って叫んでしまった。
先生が麻酔の追加をして、
「もうこれで大丈夫だからね」といって、
わたしのお腹の中に手を入れた。
なんていうか、
内臓が押し上げられるように
圧迫されて息苦しくて
怖かったけど
5分後、お腹の奥から赤ちゃんが出てきた。
「こんにちは、赤ちゃん」の歌が流れた。
赤ちゃんの産声が響いて
「お母さん~赤ちゃん出てきたよ見てごらん」
って言われたけど
涙でぼやけて、よく見えない。
それでも一生懸命目を開けて赤ちゃんを見た時
私は声を出して泣いてしまった。
その時私は産まれて初めて、
世界で一番綺麗な涙を流したの。
この世にこんな幸せがあるなんて
知らなかった。
その後のお腹の縫合は
眠ってしまってよく覚えていない。
帝王切開のため、赤ちゃんはいったん保育器に入った。
本当の本当に
赤ちゃんがお腹からでてきた。
守るべきものができた日。
やっとやっと赤ちゃんに会えた。
なんてかわいいんだろう。
なんてちっちゃいんだろう。
君の上にはお兄ちゃんかお姉ちゃんがたくさんいたんだよ。
私を選んでくれた子供に感謝してる。
これ以上ない幸せをくれて
ありがとうって言いたい。
そのうち
くそババアって、
言ってもいいよ。
以上が私の
不育症だった時の記録でした。
女性だからって
子供を授かることは普通なわけじゃなく
子供を無事に産めるのも普通なわけじゃない。
妊娠も、出産も
その一つ一つが大きな奇跡なんだと心から思う。
産まれてくる赤ちゃんたちはみんな
「奇跡の子」
たった今もどこかで
そんな奇跡が起きているのかな☆
最後まで読んでくださり、ありがとうございました(*´ー`*)